府中「村野四郎記念館」木造校舎で現代詩人の足跡に触れる

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今回は東京都府中市にある村野四郎記念館を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

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1.郷土の森に残る木造校舎の中へ

今日訪れたのは、府中市南町にある府中市郷土の森博物館です。
この博物館は約14万㎡もの広大な敷地につくられ、府中の歴史や自然を紹介する博物館本館やプラネタリウム、昔の小学校や町役場などの建築が復元・展示されています。

今回の目的地である村野四郎記念館は、その復元建築の中のひとつである旧府中尋常高等小学校校舎の1階に設けられています。

白い外壁に大きな窓が並ぶ校舎は、いかにも昔の学校らしい佇まい。
元々は1935年に建てられた府中第一小学校の前身校で、建築当時は北多摩郡の中でも特別大きな規模であった木造校舎です。

村野四郎記念館

現在は元の校舎の一部分が移築・復元され、昔の教室や教育資料の展示とともに内部を含めて見学できるのですが、この校舎の教室の一角を利用して公開されているのが府中ゆかりの詩人である村野四郎の記念館なのです。

文学館や記念館と聞くと独立した静かな展示施設を想像しますが、こちらの記念館では昭和初期に建てられた木造校舎そのものが記念館の一部となっているのが面白いところ。
廊下を歩いて教室へ向かう感覚そのものが、これから一人の詩人について学ぶ体験の入口になっています。

2.「体操詩集」から「亡羊記」まで様々な作品を深掘り

村野四郎は、現在の府中市白糸台にあたる多磨村上染谷で生まれた現代詩人です。

誰もが知っている詩でいうと「ぶんぶんぶん」の作詞者であるというと分かりやすいかも知れません。
一方で記念館を巡ると、童謡や学校で歌った曲だけではない、詩人としての幅広い功績が見えてきます。

館内では村野四郎の生涯や創作活動をパネルや資料で紹介していて1939年刊行の代表作「体操詩集」をはじめ、様々な作品の紹介や実際に使っていた万年筆などが展示されています。

中でも気になるのは、やはり「体操詩集」。村野は学生時代に器械体操や柔道に打ち込んでいて、その経験をもとに身体の動きを詩へと置き換えました。
題材だけを聞くと少し変わった詩集ですが、運動する身体を細かく捉え、言葉で再構成していく発想はかなり新鮮。彼の経歴を詳しく知ることで、作品の成り立ちとその作品が持つ深みをより知ることができるのが記念館の面白いところでもあります。

村野四郎記念館

戦後の代表作「亡羊記」は読売文学賞を受賞しました。初期のモダンな作品からより深く人間の存在を見つめる作品へと変化していく過程も興味深いです。
展示を順番に見ていくことで作品だけでは分かりにくい詩人の変化をコンパクトにたどれるのが、この記念館の大きな魅力です。

3.府中に今も残る村野四郎の言葉

展示を見ていてもう一つ印象に残ったのは、村野四郎と府中との結びつきです。
村野は「府中市の歌」をはじめ、市内の小中学校の校歌を数多く作詞しています。
十小、六中、白糸台小、若松小、小柳小、八中など府中に関わる歌が学校名とともに紹介されていて、村野の言葉が地域の人々と深く結びつき、親しまれてきたことが伝わってきます。

記念館を見学後は、同じ建物の他の教室を覗いたり園内の復元建築を巡ったりできるのも嬉しいポイント。

村野四郎記念館

繰り返しになりますが、教室を巡っていると記念館が昔の校舎の一角に置かれていることの面白さが体験できます。
この小学校が建てられたのは1935年であり、彼が作家としてデビューする少し前に建てられたもの。
童謡や校歌を手がけた詩人の資料を、当時の面影を残す建物で見る。決して大きな展示室ではありませんが、ここでしかできない展示体験ができました。

旧府中町役場

大正時代の1921年に建てられた旧府中町役場で当時の村役場の中に入り込んだり、江戸時代に建てられ明治に入ってからは旧府中郵便取扱所として府中の郵便を担っていた旧矢島家住宅を見学したり文学だけに閉じず、府中という土地の歴史と一緒に楽しめるスポットでした。

旧田中家住宅

さらにこちらの旧田中家住宅では復元された建物の一部が「平次のおうどん」という食事処となっていたのでランチも頂きました。

甲州街道府中宿を代表する典型的な商家を復元した建物は手前の商店の奥に座敷や蔵が続いていて、江戸時代の町屋の建物を内部の様子を含めて体感することができした。

素敵な記念館と博物館をたっぷりと堪能して、この日の本棚巡りも大満足のものとなりました。
とてもオススメのスポットですので、気になった方は是非訪れてみてくださいね。

村野四郎記念館
住所:東京都府中市南町6-32 府中市郷土の森博物館内
アクセス:府中本町駅・分倍河原駅・是政駅から徒歩約20分
開館時間:9:00~17:00
休館日:月曜日、年末年始
その他:博物館入場料 大人300円、子ども150円

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