今回は豊島区にある鈴木信太郎記念館を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。
1.フランス文学研究の礎を築いた鈴木信太郎の記念館を訪問
今回訪れたのは、東京都豊島区に建つ鈴木信太郎記念館(旧鈴木家住宅)です。

鈴木信太郎は、1895年生まれのフランス文学者です。
鈴木信太郎が暮らした旧邸が豊島区の指定有形文化財となり、現在は記念館として公開されていると聞き早速訪れてきました。

東京メトロの丸ノ内線 新大塚駅を降りて5分ほど歩くと、大谷石が積み重ねられた記念館の入口がみえてきます。
実はこの鈴木信太郎記念館は、以前豊島区に住んでいたときに一度訪れたことがあったのですが、残念ながらその日は休館日。今回リベンジも兼ねて久しぶりに訪れてきました。
鈴木信太郎記念館は、昭和初期の1928年に建てられた鉄筋コンクリート造の書斎棟、戦後に建てられた中央の茶の間・ホール棟、明治時代に建てられた建築を戦後に移築した座敷棟の3つの棟で構成されています。

地下鉄の駅からほど近い住宅街の中に残るこれらの建物は、建築的な価値も高く豊島区の指定有形文化財にもなっています。
この邸宅の主であった鈴木信太郎は、東京帝国大学仏文学科で学び、日本におけるフランス文学研究のパイオニア的な存在です。
大学卒業後は長きに渡って研究の傍ら東京大学で教鞭をとり、多くの研究者や作家を輩出しました。
また、鈴木は稀覯本の収集家でもあり、右手に見える書斎棟には彼が集めた書籍の一部が展示されています。
鈴木は大正時代の終わりの1925年にパリに自費で留学していますが、その時集めた書籍は1000冊に及んだといいます。
これらの書籍は鈴木の帰国時に船便で輸送されましたが、事故により焼失してしまいます。
大きなショックからノイローゼになった鈴木でしたが、こうした経験から3年後に建てられることになるこちらの書庫棟は当時まだ珍しかった鉄筋コンクリート造で建てられます。
この書庫は結果として戦火から書籍を守ることになり、現在の記念館の中核をなしています。

記念館の入口は中央の茶の間・ホール棟と呼ばれる建物にあります。
書庫棟の隣には木造の邸宅は、戦火で焼失してしまいましたが、戦後に建てられたのがこちらの茶の間・ホール棟。現在は記念館の受付や事務所として使われています。
入館料は無料で、入口でスリッパに履き替えて見学します。

ホールには等身大の鈴木信太郎のパネルが置かれていて、一緒に記念写真を撮ることもできます。

また、受付では声をかければ記念館の常設展示案内のパンフレットをもらうことができます。
2.ワクワクが止まらない書斎をたっぷりと堪能
入口を入って右手が鉄筋コンクリート造の書斎棟となっています。

書斎棟の1階が展示空間となっていて、鈴木が集めた貴重な資料と共にその足跡を辿ることができます。
コンパクトな展示室ですが、天井いっぱいにつくられた書架が並ぶ空間にテンションが上がらずにはいられません。

大きな窓とステンドグラスからやわらかい自然光が降り注ぐ書斎は、異世界に迷い込んだような非日常感がありますが、不思議と落ち着く空間でもあります。
書斎には貴重な書籍が所狭しと並んでいます。
遥か昔に書かれた外国の書籍の一部を垣間見れたり、鈴木の愛蔵書などを心ゆくまで堪能することができます。

献呈本には、谷崎潤一郎や大佛次郎などの文豪や文学者からの貴重な書籍も展示されていました。
また、書籍だけでなく鈴木の交友関係なども興味深く、意外な人物との関係や、日本の文学史に残るつながり等を興味深く見ることができました。
書斎の展示を堪能した後は反対側にある座敷棟を見学しました。

こちらの内玄関から先が戦後に移築してきた邸宅部分です。

戦後間もなくは新築の制限があり、新しく建てる家は15坪の広さまでとされていました。
受付のあった茶の間・ホール棟が15坪弱となっていて、こちらの座敷棟は移築ということで15坪の制限から外れた形で建築がされました。

鈴木の本家は現在の埼玉県春日部市の大地主であり、この座敷棟は春日部市に建つ邸宅の一部を移築したもの。
1948年に座敷棟が移築されたことで現在の記念館の建物の形がつくられました。
座敷棟は明治時代の中期に建てられた書院座敷となっていて、移築に際しての図面や資料などが展示されています。

この鈴木家住宅は、何度かの改修を経ながらも大切に使われ続けていて、豊島区に寄贈される直前まで暮らしの場となっていたといいます。

素敵な空間と展示をたっぷりと堪能して、この日の本棚巡りも大満足のものとなりました。
とてもオススメのスポットですので、皆さんも機会があれば是非訪れてみてくださいね。
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鈴木信太郎記念館
住所:東京都豊島区東池袋5-52-3
アクセス:新大塚駅から徒歩約3分
オープン年:2018年
開館時間:9:00~16:30
休館日:月曜日、第3日曜日、祝日、年末年始
入館料:無料
その他:豊島区指定有形文化財

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