池袋「旧江戸川乱歩邸」リニューアルした巨匠の邸宅&展示をレポート

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今日は江戸川乱歩が31年暮らした旧江戸川乱歩邸(立教大学 大衆文化研究センター)について紹介したいと思います。

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1.江戸川乱歩が31年を過ごした池袋の邸宅

今日訪れたのは池袋駅西口から徒歩5分ほど、都会の喧騒を離れた住宅街の一角にある「旧江戸川乱歩邸」です。

旧江戸川乱歩邸

ここはその名の通り明治27年に生まれた江戸川乱歩、本名・平井太郎が1934年から亡くなる1965年までの31年間を暮らした住まいで、現在は立教大学が管理する研究センター兼記念館となっているスポットです。

門柱には今も乱歩の本名である「平井太郎」の表札が掲げられていて、乱歩ファンなら思わずニヤリとしてしまいます。

旧江戸川乱歩邸

日本推理小説の黄金期を築いた乱歩は「引越し魔」としても知られ、生涯で46回もの転居を繰り返しました。
しかしこの池袋の邸宅は、彼が最も長く腰を落ち着けた場所であり、晩年を過ごした終の住処です。
ここから「怪人二十面相」や「少年探偵団」シリーズなど、世代を超えて愛される名作が次々と誕生しました。

旧江戸川乱歩邸

敷地内に足を踏み入れるとまさに個人宅といった装いですが、この邸宅は2002年に立教大学に寄贈され、「立教大学 大衆文化研究センター」として一般公開が始まりました。
その後、2024年1月から大規模な改修工事が行われ、耐震補強やバリアフリー対応、展示室のリニューアル、資料保管庫の新設などが実施されました。そして改修工事を経て、2025年5月に一般公開が再開され、今では再び多くの文学ファンを迎え入れています。

2.応接室・展示室・和室と乱歩の足跡る

玄関で靴を脱ぎ上がると、まず正面に母屋部分を改修した展示室が広がります。
この展示室は「作家・乱歩と人間・太郎 二つの人生に出会う場」をテーマに、多彩な資料が公開されています。

直筆の原稿や乱歩が歩んできた足跡などが貴重な資料と共に展示してあり興味深いです。
スペースは小さいですが、巨匠としての評価や華やかな成功の裏にあった苦悩や、乱歩の人間的な魅力などが伝わってくる展示でした。

旧江戸川乱歩邸

正面左側は1957年に増築された洋館部分で、応接室として使われていた部屋がそのまま保存・再現されています。

高い天井から自然光が差し込み、深い青のソファや執筆机が当時のまま残されてた部屋は旧江戸川乱歩邸の人気スポットとなっています。

乱歩が愛用していた机や、細かいアイテムも再現されていて、執筆に向かう乱歩の姿がありありと想像できます。

旧江戸川乱歩邸

また、母屋の奥では和室の書斎も再現されていて、そこには乱歩が使用していた金属製の回転本棚が展示されています。

本を探すために棚を回転させるこちらの本棚は、見ているだけでワクワクします。
部屋の奥には映像展示もあり、様々な角度から乱歩について知ることができます。

今回の改修では新しい展示設備が導入された一方で、古い家屋の痕跡を大切に残す工夫も随所に見られます。
例えばトイレのドアノブは当時のままだったり、二階への階段はガラスで覆って保存されています。
新しさと古さが調和した空間は、資料館としてだけでなく建築空間としても見応えがあります。

3.見どころ満載!蔵と中庭も見逃せない

邸宅の奥に進むと、土蔵造りの二階建て蔵が姿を現します。
内部は立ち入り禁止なのですが、ここには乱歩が収集した約2万点の蔵書が保存されています。

さらに立教大学による収集を含めると、現在は約4万点近い資料が所蔵されていて日本文学研究においても重要なアーカイブとなっています。

空襲の被害を免れ奇跡的に残されたこの蔵は、乱歩の創作を支えた知の宝庫であり、文化史的価値も高く評価されています。

旧江戸川乱歩邸

蔵を眺めた後は、中庭を散策してみます。
緑豊かな庭からは、応接室のある洋館や土蔵の全体像がよく見えます。

都会の真ん中とは思えない静けさの中で、乱歩が作品を生み出していた姿に自然と想像が重なります。
ここから数々の小説が紡ぎ出され、日本の文学史に残る作品が生み出されたと思うと不思議な感覚を覚えます。

素敵な邸宅と展示をたっぷりと堪能し、この日の本棚巡りも大満足のものとなりました。
「旧江戸川乱歩邸」は、乱歩ファンにとっては聖地巡礼の場であり、これから作品に触れる人にとっても格好の入り口になります。
とてもオススメのスポットなので、気になった方は是非足を運んでみてください。


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旧江戸川乱歩邸(立教大学 大衆文化研究センター)
住所:東京都豊島区西池袋3-34-1
アクセス:池袋駅から徒歩約8分
オープン年:2002年(2025年リニューアル)
開館時間:10:30~16:00
休館日:火曜日、木曜日、土曜日、日曜日、祝日
その他:豊島区指定有形文化財(土蔵)
開館日は公式ウェブサイトのカレンダーを要確認

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