今日は東京浅草の神谷バーを訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。
1.多くの文豪を魅了した老舗のレストランバーを体験
今日訪れたのは、地下鉄の浅草駅をでてすぐのところに建つ老舗のレストラン・バーである神谷バーです。
神谷バーといえば、創業者の神谷氏がつくりだしたブランデーベースのお酒「電気ブラン」でも知られる老舗のバーです。

例えば作家の太宰治の代表作である「人間失格」には「酔いの早く発するのは、電気ブランの右に出るものはないと保証し・・・」という一文が出てきますし、森見登美彦の小説「夜は短し歩けよ乙女」では、「偽電気ブラン」というお酒がでてきます。
私も電気ブランというお酒の存在は、名前だけは聞いたことがあったのですが、今回機会があって神谷バーを訪れ、その味を体験することがだきました。

駅をでてすぐの吾妻橋交差点に面した角地に建つのが今回の目的地。神谷バーの前身は明治時代に当時の東京市浅草区に創業した「みかはや銘酒店」がルーツになっていて、この銘酒店が後に西洋風の酒所となり、日本で初めてのバーである神谷バーがつくられます。
現在の吾妻橋交差点に建つ神谷ビルは、大正時代の1921年に建てられたもので、この建物だけでも実に100年以上前の建物というから驚きです。
建物が、1階がビアホールのようなスタイルの神谷バー、2階が主にグループ利用などに使われるレストランカミヤとなっていて、いずれも現役の呑み処・食事処として使われています。

大正ロマンの雰囲気を醸し出す建物は当時としてはまだ珍しかった鉄筋コンクリート造となっていて、大正時代らしい自由な雰囲気と堅牢な造りが光るシブい建物となっています。
大正時代といえば1923年に起こった関東大震災によって浅草のみならず東京都内では多くの建物が倒壊・焼失してしまいますが、こちらの神谷バーはその堅牢な作りもあって倒壊を免れます。
現在は国の登録有形文化財にも指定されている建物は、正面性の強いシンメトリーなデザインに加えて、どこか親しみを覚える丸窓があしらわれた建物となっています。

店頭には現在では少なくなったメニューのサンプルが置かれたショーウィンドウが据え付けられているのも素敵です。
この日は読書友達と数人で訪れて、あらかじめ予約をして2階にあるレストランカミヤでランチを頂きました。

2階へは正面入り口脇の階段から訪れのですが、階段部分の吹抜もレトロな雰囲気があって素敵です。

手すりや各所の装飾はシンプルな中にもこだわりが感じられ、上部から入る自然光の灯りと間接照明による陰影が期待感を高めてくれます。
2.レトロな雰囲気の中頂く電気ブランと絶品料理を堪能
はじめての神谷バーにちょっと緊張しながら早速中へ入ります。
建物の中は思った以上に清潔で真新しい内装となっていて、とても素敵な装いです。築100年超えのバーということで年季の入った建物と思いきや、木調の素材と白い壁や天井があわさった内装が心地よかったです。

店内はレトロな雰囲気は残しつつ現代の飲食店としてきちんと整えられているのも嬉しいポイント。
やや低い天井など一部にその名残を感じることができますが、現代でも利用しやすい一般向けの食堂となっています。
今回は開店して間もない時間に訪れたので初めは店内にお客さんはいませんでしたが、お昼時にはかなりの賑わいなになっていました。
2階のレストランカミヤの客層は日本人の団体さんや家族グループ、外国人観光客など様々でしたが、1階ではおひとり様の利用も多いようでした。

席に着いたらまずは今回の大きな目的である「電気ブラン」で乾杯。
これまで小説やエッセイで読んできたメニューが目の前にあることにテンションがあがります。
そして電気ブランとセットで頂いたのはいくつものおつまみがセットになったワンプレートメニューです。

こちらのワンプレートでは海老グラタン、サラミ、ガーリックソーセージ・唐揚げなどの定番メニューを一度に味わうことができます。
ちょっとキツめだけれど、ほんのり甘みのある電気ブランをちょっとずつ味わいながら、バラエティーに富んだおつまみを頂く至福の時間です。

メニューは他にもカレーやハンバーグ、デザートなど様々に用意されている他、ノンアルコールも含めたドリンクメニューも充実しています。
最後にいただいたのが、レトロ食堂では定番メニューともいえるプリンアラモードです。

ガラスの平皿に硬めのプリンと大きなアイスが添えられたプリンアラモードは、素朴だけれどちょっとしたご褒美でもある幸せの味でした。
素敵なメニューをたっぷりと堪能して、この日の本棚巡りも大満足なものとなりました。
とてもオススメのスポットですので、皆さんも機会があれば是非訪れてみてくださいね。
【本好きにおススメしたい本-漫画編】
古本屋「十月堂」を訪れるお客さんと店主とが織りなす、本と本を愛する人々の物語。
本っていいよなって改めて思える素敵な、素敵な漫画です
2025年4月には続巻である2巻も発売したので、是非チェックしてみてください。
神谷バー
住所:東京都台東区浅草1-1-1
アクセス:浅草駅から徒歩約1分
営業時間:11:00~20:00
定休日:第2月曜日、火曜日
その他:国登録有形文化財
ホームページ:http://www.kamiya-bar.com/

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