今回は東京の日暮里駅から程なく歩いたところに建つベーカリー併設の本屋さん「パン屋の本屋」を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。
1.パン屋×本屋!ひぐらしガーデンを訪問
今日訪れた本屋さんはJR日暮里駅から東に程なく歩いた所にあるひぐらしガーデンという複合施設の中にある本屋さんです。
日暮里駅の東口といえば、今から約100年前の大正時代から続く布製品やボタンの問屋さんが立ち並ぶ日暮里繊維街があることでも知られているエリアです。
そんな日暮里の住宅街の中に建つひぐらしガーデンは、「ひぐらしベーカリー」というパン屋さんと「パン屋の本屋」という本屋さんが一体となった複合施設です。
今回訪れたひぐらしガーデンも、現在の建物が建つ前はフェルト生地をつくる工場でしたが、工場の解体後空き地の期間を経て、2016年にパン屋×本屋の複合施設として新たな歴史をスタートしました。
近年中高層のマンションが次々と建てられる日暮里エリアですが、建物の外観は斜めの三角屋根と軒下空間が特徴的な低層のデザインが特徴。
この家型の屋根がパン屋と本屋と事務スペースの3つの機能をひとつ屋根の下にまとめています。
ちなみにこの建物のデザインを手掛けたのは、建築家の谷尻誠氏・吉田愛氏が主宰するSUPPOSE DESIGN OFFICE(サポーズデザインオフィス)という設計事務所。
SUPPOSE DESIGN OFFICEは、本好きには有名なかつて池袋にあった泊まれる本屋「BOOK AND BED TOKYO池袋本店」など近年注目の施設を次々と手掛けている設計集団。
SUPPOSE DESIGN OFFICEは、日本の伝統的なデザインモチーフと現代的でスタイリッシュなデザインを融合した建物を多く手掛けつつ、自社の食堂兼地域の人も使える食堂「社食堂」など地域コミュニティに根ざした建物の提案も得意としています。
ここひぐらしガーデンでも地域の人々が日常的に訪れる本屋さんとパン屋さんを融合しているのもSUPPOSE DESIGN OFFICEらしい建築といえます。
パン屋も本屋も暮らしのインフラとして、近所にあって欲しい店舗の上位に入る人気の施設ですが、この2つが合わさった素敵な施設がある近所の人が本当に羨ましいです。
2.中庭を取り囲むように本屋とベーカリーが一体的に計画された建物にも注目
ひぐらしガーデンは中庭を挟んで写真の左側がパン屋さん、右側が本屋さんとなっていて、2つの店舗を繋ぐ間の部分がパン工房とオフィススペースとなっています。
中庭のスペースは、子供の遊び場にもなっていて、訪れるといつも子供が遊んでいたりと微笑ましい光景に出会います。
道路際には大きな窓があって、まるで住宅のような雰囲気も魅力的です。
パン屋の本屋は決して大きな本屋さんではないですが、食関係、暮らし関係から児童書、話題の本から雑誌まで中々興味深いラインナップ。
また、パン屋併設ということもあってパンに関する本のラインナップもかなり充実しているのも特徴。
パンの作り方からパン屋のガイドブックなどのスタンダードな本から酵母菌やバターにフォーカスした本、パン屋の開き方まで、パンを媒介にした様々なパン本が並んでいるのも面白いです。
本棚はお子さん連れのお客さんが多いこともあって子供の目線の本棚には児童書が、大人の目線には大人の向けの本が並んでいたり、表紙が表に出るようにディスプレイされているのも素敵でした。
また、並べられた本は時期ごとにベーカリーと連動したコラボフェアも行われたりしているのも楽しめるポイントです。
建物は中庭を挟んだ左右で明確に機能が別れていますが、視線や動線が上手く通るようにデザインされているので、狭苦しさは一切なく、うまく回遊性が確保されているのも注目ポイントです。
こちらはパン屋の入口部分ですが、パン屋の中から中庭を飛び越えて、奥に本屋の入口が見えます。
屋根やデッキの高低差で緩やかに空間を仕切りつつ、視線が抜けるデザインによって抜け感と奥行きの両方を演出しているのが見事です。
3.パン屋にも注目!ひぐらしベーカリーで優雅なランチタイムを
本屋さんを散策した後はせっかくなので併設のパン屋さん、ひぐらしベーカリーでランチを頂きます。
ひぐらしベーカリーはテイクアウトも可能ですが、今回はせっかくなので店内でいただきます。
パン屋は店内の他、中庭に面したテラス席や階段を上がった2階席でもいただけます。
お昼時ということもあって店内はかなり賑わっていて、地元のお客さんに日常的に使われていることが伝わってきます。
座席は縁側のようなデザインとなっていて、店内ですが街と繋がっている感覚になるのも素敵。
並べられたパンは人気メニューの塩パンから王道のクロワッサンまでメロンパン、クリームパンまで幅広いラインナップ。
素材の甘さがしっかり効いたモチモチのパンはとても美味しかったです。
パンを頂いていると、チーズカレーパンが焼けたとの案内が。焼きたてのカレーパンは衣がサクサク、チーズはトロトロで絶品でした。
パンのラインナップは季節ごとのフェアや企画によっても変化するのもいいですね。
本屋もパン屋も建物のデザインも存分に楽しんで、今回の本棚巡りも大満足のものとなりました。
皆さんも機会があれば是非訪れて見てくださいね!
本屋のパン屋(ひぐらしガーデン内)
住所:東京都荒川区西日暮里2-6-7
アクセス:日暮里駅から徒歩約7分
オープン年:2016年
営業時間:
ベーカリー:8:00~18:00
本屋:10:00~18:00
定休日:月曜日
ホームページ:http://higurashi-garden.co.jp/
※記載の内容は記事執筆時点のものですので、訪れる際はホームページ等で最新の情報を確認してください
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