銀座「教文館ビル」歴史ある隠れ名建築の老舗書店をレポート

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こんにちは、やまです。
今日は東京銀座にある老舗の書店教文館を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

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銀座の隠れ名近代建築 教文館ビルがスゴい

銀座に用事があるとき、ちょっと待ち合わせ時間より早くいって訪れる書店があるのですが、それが銀座の中央通りの中ほどに建つ書店教文館です。

教文館の歴史は明治時代の1885年にまで遡ることができ、明治に入ってキリスト教の禁教が解かれたことを受けて、アメリカのメソジスト教会の宣教師たちが立ち上げた組織・書店がルーツ。

キリスト教徒というわけではない自分がなぜこの書店にそんなに興味があるかというと、この建物が今から90年近く前の1933年に建てられたモダニズム建築だからです。

しかもそのデザインを手掛けたのは、日本近代建築の父アントニン・レーモンドというから、本好きにして無類の建築好きの私としてはどうしても特別視してしまいます。
アントニン・レーモンドはチェコ出身の建築家で、1910年に22歳の若さでアメリカへ渡り、28歳の時に近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトに弟子入りして建築を学んだ人物。

その後レーモンドは1919年に日比谷の旧帝国ホテルの建設に際してライトと共に来日したことをきっかけに日本の建築界に大きく関わることになり、生涯で日本に残した作品は400ほどあるといわれています。

レーモンドの残した建築は、銀座のお隣、築地の聖路加国際病院(1928年)や軽井沢の聖ポール教会(1934年)聖アンセルモ目黒教会(1954年)群馬音楽センター(1961年)など枚挙に暇がないほど。教会やキリスト教系の学校の他にも様々な建築を手掛けているので、知らずしらずのうちに行ったことがあるという人も多いかもしれません。

教文館ビルは、そんなレーモンドが45歳の1933年に建てられた書店。ちなみにこの建物は、完成間もないころはレーモンドの設計事務所も入っていました。

教文館・聖書館の2つのビルが合わさった建物が面白い

実はこの教文館は北側に聖書館ビルというもう一つのビルがあり、この2つのビルが一体的に建てられているのも特徴。
また、1933年といえば1923年に起きた関東大震災の復興期でもあり、世界ではモダニズム建築が花開きつつあり、アメリカではアールデコと呼ばれる直線や幾何学を取り入れた都市美のデザインが大流行した時代でもあります。

残念ながら現在の教文館・聖書館ビルは、外観は大きく改修されていて、空に伸びるような垂直強調の装飾やシンボリックな塔屋はもうないのですが、それでもところどころに当時の面影を残しています。

例えば、東口のエントランスの回転扉然り、天井付近のレリーフ然り、そしてなんといっても左右に別れた階段部分はやっぱりカッコいいです。

なぜか左右に同じような階段が2つあるこの階段は、教文館ビル部分と聖書館ビル部分それぞれのアクセスの為に左右に分かれていて、デザイン自体はとてもシンプルなのだけど、とても絵になります。

フロアは1階が主に雑誌売り場、2階が一般書、そして3階が洋書を含めたキリスト教関連の書籍が並ぶほか、4階にはカフェが、9階には子どもの本のみせナルニア国という特徴的なコーナーが設けられています。

特に1990年代後半から力を入れている子供の本の専門コーナーは、かなりの好評らしく、リニューアルの時もかなり話題になっていました。

絵本は何十年も昔の本が未だにベストセラーになっていたりと、世代を超えて受け継がれていきますが、そんな絵本とこの古き建物がなんとなく重ね合わさって見えるのも面白いです。

4階のカフェきょうぶんかんが素敵過ぎる

教文館ビルに足を運んだ際に是非とも訪れたいのが4階の物販コーナーに隣接するカフェきょうぶんかん。

2006年にオープンしたカフェは、エレベーターの隣の細い通路の先にあります。

この通路もちょっとしたギャラリーになっていて素敵。
また、白い壁の通路は2つの空間を繋ぐトンネルのようになっていて、ちょっとワクワクします。

銀座の中央通りから降り注ぐ自然光がとても気持ちがいいです。
今回頼んだのはばらの花形ケーキのケーキセット(920円)

北海道産の素材を使っているケーキは、見た目も味も上品で、銀座でのひと休みにピッタリ。食器も素敵です。

珈琲との相性もバッチリで、ゆっくりとケーキと珈琲を頂きながら、向かいの建物や銀座中央通りを行き交う人々を眺めます。

キャラメルポワール

ケーキセットは全部で4種類あって、珈琲はブレンド・アメリカン・アイスから、紅茶はダージリン・アールグレイ・アイスから選べます。
食器のデザインもそれぞれ素敵です。

書店もカフェも、建物もたっぷりと堪能して、大満足の書店巡りとなりました。
とっても素敵な書店なので、皆さんも機会があれば是非訪れてみて下さいね。

教文館・聖書館ビル
住所:東京都中央区銀座4-5-1
アクセス:銀座駅から徒歩約1分
創業:1885年
竣工:1933年
営業時間:
 書店:10:00~19:00 ※3階は日曜日は13:00~
 カフェ:11:00~18:30
ホームページ:https://www.kyobunkwan.co.jp/

※記載の内容は記事執筆時点のものですので、訪れる際はホームページ等で最新の情報を確認してください

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