今日は先週のこども本の森中之島に続いて、大阪中之島エリアで本棚巡り。
中之島で100年以上の歴史のある大阪府立中之島図書館を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。
1.大阪で本棚巡り!100年以上前に建てられた歴史ある図書館を探訪
先週は大阪の中之島に2020年にオープンしたこども本の森中之島について書きましたが、そんなこども本の森から歩いてすぐのところには、100年以上前に建てられた図書館があるらしい!という情報を聞きつけ、早速訪れてきました。
こども本の森中之島から西に歩いて2分ほど、大阪市役所のお隣に建つのがこちらの大阪府立中之島図書館です。
![大阪府立中之島図書館](https://hondana-hyakkei.com/wp-content/uploads/2022/07/f054bfa51334ac481cc78120c72e8127-400x300.jpg)
現代的な大阪の風景の中に突然姿を表すルネッサンス様式の建物は、なんと今から118年前に建てられたもの。
古代ローマの神殿を思わせるエントランスのコリント式の柱や、頂上に載せられた三角形のペディメントなど、まるで海外の歴史的建造物を見ているようですが、1904年に実業家の住友吉左衛門氏の寄贈によって建てられた正真正銘の大阪の図書館です。
2.中之島図書が出来るまでの歴史も面白い
住友吉左衛門氏は江戸時代初期から続く名家の第15代目の当主として、住友銀行の創業をはじめ数々の事業を手掛けて大阪・日本の近代化に貢献した人物で、この中之島図書館の他にも現在の大阪市立美術館建立のきっかけをつくりました。
建物のデザインは、旧逓信省を経て1900年に住友本店臨時建築部に入った建築家の野口孫市氏が手掛けました。
この住友本店臨時建築は、のちに現在の日建設計という日本最大の設計事務所となり数々の名建築を生み出していくことになりますが、そのスタートともいうべき時期に建てられたのがこちらの中之島図書館というのもすごい話です。
![大阪府立中之島図書館](https://hondana-hyakkei.com/wp-content/uploads/2022/07/42b24aed2e85a2c7c3ff3673a924d072-400x300.jpg)
ちなみに建設当初の1904年に竣工したのは正面の中央部分を主とする部分で、両翼部分は大正時代の1922年に後輩の日高胖(ひだかゆたか)氏の設計で増築が行われました。
一見すると初めからすべて計画されていたかのように自然と一体なっている建築もとても素敵でした。
3.まるでミュージアムのような空間を堪能
中之島図書館へは正面の大階段の両脇の入口となっていますが、もちろん大階段からもアプローチできます。
![](https://hondana-hyakkei.com/wp-content/uploads/2022/07/236c6f3f3573b53de07365f57331b341-400x300.jpg)
今回はせっかくなので、中央の大階段を通って2階の中央ホールから見学。
尚、館内は1階が新聞室、2階がビジネス資料室や貸出カウンター、3階が大阪資料・古典籍室となっています。
中之島エリアは、大阪きってのビジネスゾーンでもあるので、新聞室やビジネス資料を中心に蔵書されているようです。
![大阪府立中之島図書館](https://hondana-hyakkei.com/wp-content/uploads/2022/07/e92ef89794f07f6ec1e187d15037da59-300x400.jpg)
![大阪府立中之島図書館](https://hondana-hyakkei.com/wp-content/uploads/2022/07/5ebf165f6f98a8c2ebab94eb5ea192a6-400x300.jpg)
中央ホールはバロック風の内装と天高く架けられたドームが大迫力の空間となっていて、ドームの真ん中からは自然光が降り注ぎます。
外の知的でスマートな外観も素敵でしたが、このドーム空間には驚きました。
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![大阪府立中之島図書館](https://hondana-hyakkei.com/wp-content/uploads/2022/07/7c26e59c21891caa164c50936e4747b0-400x300.jpg)
こちらのホールには菅原道真、孔子、ソクラテス、アリストテレス、シェイクスピア、カント、ゲーテ、ダーウィンの8人の賢人の名が刻まれていたり、「野性」と「知性」を表わす銅像が置かれていたりと、様々な「知」に対するリスペクトを感じるミュージアムのような空間にもなっていました。
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3.エントランス上の記念室で歴史の1ページに思いをはせる
中之島図書では、補修・改修を行いつつもほぼ全フロアを現役の図書館として運用し続けています。
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そんな図書館の中でもう一つ見逃せないのが、エントランスの真上にあるこちらの記念室。
![大阪府立中之島図書館](https://hondana-hyakkei.com/wp-content/uploads/2022/07/15aafcdea102ec11be5eadea16ce8ed8-400x300.jpg)
こちらの記念室は書架はないのですが、諸外国の来客をもてなしたり、大阪の商人達が集った部屋を保存していて、100年の歴史をそのままに体感できる部屋になっています。
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室内の調度品や建具など竣工時のものも多く残されている他、中央の半円形の窓など独特のデザインも堪能できます。
この半円型の窓は、外観のトレードマークにもなっていますが、内側からみた感じもとても素敵でした。
![大阪府立中之島図書館](https://hondana-hyakkei.com/wp-content/uploads/2022/07/308b34dd8b50256fb08396a327b59bed-400x300.jpg)
今回は旅行での訪問でしたが、中之島図書では、ビジネスセミナーや高校生対象のイベントなど様々な企画も行われているようで、館内のポスターなどの告知からもこの図書館が現役で市民に使われている様子が伝わってきました。
![](https://hondana-hyakkei.com/wp-content/uploads/2022/07/fb82e33f1c4522b677c00268a254df73-300x400.jpg)
この後も閲覧室や先ほどの中央ホールを散策して、中之島図書館を満喫。
通常の蔵書は市内の他の図書館にあることもあって、人の数もそんなに多くなかったので、心ゆくまで図書館を堪能することができました。
とってもオススメの図書館でしたので、皆さんも機会があれば是非訪れてみてみて下さいね。
大阪府立中之島図書館
住所:大阪府大阪市北区中之島1-2-10
アクセス:大江橋駅・淀屋橋駅から徒歩約3分
オープン年:1904年
開館時間:
月曜~金曜 9:00~20:00
土曜 9:00~17:00
休館日:月曜日、第2木曜日(7月・8月を除く)、年末年始
ホームページ:https://www.library.pref.osaka.jp/site/nakato/
その他:重要文化財
※記載の内容は記事執筆時点のものですので、訪れる際はホームページ等で最新の情報を確認してください
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