荒川「吉村昭記念文学館」図書館・カフェと一体となった文学館を堪能

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今日は東京荒川にある吉村昭記念文学館を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

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1.小説家吉村昭の記念文学館を訪問

今日訪れたのは東京都荒川区にある吉村昭記念文学館。
荒川区の日暮里出身の小説家吉村昭の業績を称え、その足跡を紹介する文学館です。

吉村昭記念文学館

吉村昭といえば1927年(昭和2年)に現在の荒川区東日暮里で生まれ、いわゆる記録文学と呼ばれるノンフィクション・歴史小説を数多く発表した昭和を代表する小説家です。
生まれつきの体の弱さや戦争などの大きな歴史的な出来事に翻弄されながらも、綿密な取材や幅広い資料の精査によって描かれた作品は多くの人々を魅了し、ドラマや映画の原作となることも多くありました。

吉村昭記念文学館

そんな吉村の名前を冠した吉村昭記念文学館がはいるのは、文学館と同時に計画された複合施設ゆいの森あらかわの2階と3階の一角。
このゆいの森あらかわは、荒川区の中央図書館や区民の為のスペース、カフェなどの複合建築で、2017年にオープンしたばかりの新しい施設です。

東京都内に現存する唯一の路面電車である都電荒川線の荒川二丁目駅を降りると、住宅街が広がるのどかな風景の先にゆいの森あらかわが見えてきます。

停留所をでて1分ほどで建物に到着。
荒川区立の図書館を兼ねていることもあって、週末のこの日はまずまずの人がこの施設を訪れていて、受験生らしき学生から子供連れの親子、おじいちゃんおばあちゃんまで幅広い人がみられました。

2.入館無料!いろいろな発見溢れる展示を堪能

広々としたエントランスを入ってエスカレーターで2階に上がると、今回の目的地である吉村昭記念文学館がみえてきます。

文学館は入館料は無料で誰でも入ることができるので、チケットカウンターや受付などは特にありません。
入口も吹き抜けを介して2階と3階の両方にあるので、ふらっと訪れて見学することができます。

吉村昭記念文学館

ちなみにこの日は週末の土曜日でしたが文学館の中には自分ひとりだけ。
隣接する図書館は大いに賑わっていましたが、ちょっと寂しかったです。
尚、後日この文学館を訪れたことのあるという友人に話を聞いたことろ、その友人が訪れたときには数人の見学者がいたとのことなのでタイミング次第なのかもしれません。

内部はテーマに合わせた9つのゾーンに別れた展示となっていて、日暮里で生を受けた吉村氏の幼少期から小説家になるまでの道のりや、吉村氏が得意とした歴史小説や戦争小説の世界についてなどを写真や原稿をはじめとする様々な資料で紹介しています。

個人的には今まであまり歴史小説や戦争小説は読んだことがなかったのですが、綿密に計画された構成や様々な取材資料をみると、そういった小説への興味が湧いてきます。

文学館内は限られたスペースではありますが映像コーナーもあます。
昭和中~後期に活躍した作家だけあって映像の資料や展示があることも、作家とその作品を一気に身近なものにしてくれます。

3.再現された書斎で作家気分を味わいつつ、貴重な本棚を堪能

吉村昭記念文学館の目玉のひとつは、館内奥に再現されたこちらの書斎です。

吉村昭記念文学館

この書斎は吉村氏が生前使用していた書斎を可能な限り再現したもので、棚に並べられた本は亡くなるなる前の書斎に実際に並べられていた書籍がそのまま展示されてます。

本棚には様々なジャンルの文学や資料がぎっしり並べられていて、吉村氏の頭の中の一端を覗かせてもらっているような不思議な感覚になります。
また、正面には何十冊にも及ぶ古文書が並んでいたり、大正時代の新聞収録集があったりと他では中々見たことのない書籍がズラリ。

記録小説を得意としていただけあって、町史や市史、紀行文や旅行記などが大量に並べられていたのが印象的でした。

ちょっと面白かったのは、分厚い梶井基次郎全集のすぐ隣に「パーティ・葬式で男をあげる本」のような実用書が置かれていたりもして小説家のリアルな本棚が垣間見れました。

吉村昭記念文学館

また、再現された机と椅子には実際に座ることができるので、文豪気分をたっぷりと堪能することができます。

4.ブックカフェを兼ねた1階のカフェでひと休み

文学館を堪能した後は隣接する図書館を散策。
図書館は文学館の出入り口と直で接続していて、文学館との接続エリア付近にはちょっとした吉村氏の関連本コーナーもありました。

図書館を散策した後は1階にはいるカフェ・ド・クリエ プラスゆいの森あらかわ店でひと休み。

こちらのカフェは道路に面していて、開放的な吹抜けや外部からの自然光が溢れるデザインとなっていてとても気持ちよかったです。

図書館・文学館と同じ建物に入っているカフェだけあってカフェ内に本棚や特集コーナーがあるブックカフェにもなっているのも素敵でした。
カフェメニューの返却ボックスの隣に本の返却ボックスのあるカフェは初めてみました 笑

文学館も図書館もカフェもたっぷりと堪能してこの日の本棚巡りも大満足のものとなりました。
とっても素敵な文学館でしたので、皆さんも機会があれば是非訪れてみてくださいね。

吉村昭記念文学館
住所:東京都荒川区荒川2-50-1 ゆいの森あらかわ2階・3階
アクセス:荒川二丁目駅から徒歩約1分
オープン年:2017年
開館時間:9:00~20:30
休館日:毎月第三木曜、年末年始、特別整理期間ほか
入館料:無料
ホームページ:https://www.yoshimurabungakukan.city.arakawa.tokyo.jp/index.html

※記載の内容は記事執筆時点のものですので、訪れる際はホームページ等で最新の情報を確認してください

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