今日は栃木県栃木市に2022年にオープンした栃木市立文学館を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。
1.大正時代に建てられた町役場が文学館にリューアル
今日訪れたのは栃木県の栃木市に新しくオープンした文学館である栃木市立文学館です。
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栃木市は「蔵の街」としても知られ、今も多くの蔵や洋館などの近代建築が残されている街でもあります。
実は栃木市は学生時代に大学のオリエンテーション旅行や建築巡りで訪れたこともあって個人的にも思い出深い土地でもあります。
そんな栃木市に、今から100年以上前の1921年(大正10年)に建てられた栃木町役場庁舎を改修して栃木県ではじめての公の文学館ができたと聞いて、早速訪れてきました。
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栃木市立文学館が建つのは、東武線の栃木駅を約20分ほど北上した場所。
栃木駅の北側エリアは巴波川(うずまがわ)という名前の川が流れていて、江戸時代より北関東の水運の結節点として大きく栄えてきました。
この巴波川沿いには今も多くの蔵や問屋跡が残っていて、栃木市を代表する風景となっています。
今回訪れた栃木市立文学館のあった場所もこの巴波川からすぐの場所にあり、明治時代には栃木県の県庁舎が建てられていました。
県庁舎が移転した後の1921年(大正10年)には当時の栃木町の役場が建てられたのが栃木市立文学館の建物なのです。
建物は登録有形文化財にもなっていますが、私が以前訪れた時も栃木市役所の別館として現役で利用されていて、この建築を目当てに訪れた思い出があります。
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役場としての建物は2014年まで使われた後、当時の写真や資料を参照しながら大規模な補修と建物の復元も行われて、2022年の4月に文学館としてリニューアルオープンしました。
2.大正ロマンの雰囲気を感じる素敵な洋館をたっぷりと堪能
巴波川を伝って文学館にアクセスすると、淡いグリーンの外装が印象的な洋館が目に飛び込んできます。
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1921年に建てられた建物は、木の骨組みをそのまま活かしたハーフティンバー様式と呼ばれるデザインとなっていて、大正ロマンの雰囲気が漂うハイカラな建物となっています。
以前は写真手前の東側に増築された平屋部分などがありましたが、今回の令和の大リューアル工事で可能な限り当時のデザインに復元がされています。
正面玄関は町役場時代の車寄せとなっていますが、文学館の入り口は西側に新たに設けられています。
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文学館へのリューアルに当たっては、100年近い年月の中で増築された部分を元のデザインに戻しながらも、スロープやエレベーターの設置などのバリアフリー化や文学館としての機能に合わせた改修など、様々な面で新たな機能が追加されています。
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建物西側に設けられたエントランスはガラスとコンクリートによる現代的な設えとなっています。
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増築部分にあえて現代的な素材を使うことで、古い建物とのコントラストが際立つようなデザインとなっているのが素敵です。
3.栃木ゆかりの作家の足跡を建物と共に楽しもう
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館内は1階が展示スペース、チケットカウンター、休憩スペースからなるとちぎサロン、2階が常設展示室と多目的ホールとなっていて、2階がチケットが必要な有料ゾーンとなっています。(展示の構成は今後の企画によって変わる可能性があります)
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私が訪れた時はオープン記念の展示「令和大改修竣工記念企画展 旧栃木町役場庁舎100年のあゆみ」が行われていて、1階の無料ゾーンでも栃木市立文学館のリニューアル工事についての展示がされていました。
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ちなみに館内の裏手のスペースには数は少ないですがロッカーがあるので、手荷物を預けたい場合はこちらのロッカーを利用することをオススメします。
内装は、外観と同じ優しい色合いの木の内装とちょっと濃い目の木の色のコントラストが美しく、町役場時代の雰囲気がよく伝わってきます。
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周りにぐるりとまわる回廊も高い天井高と自然光による気持ちのいい空間となっています。
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今回の展示では、実際の建物を体感しながら模型や図面、保存された建築材などを見ることができ、建築好きとしてはたまらない展示でした。
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床に空けられたガラスの窓から建物の構造をみることができたりと、歴史ある建物自体にも興味が湧くようなしかけがいくつもみられました。
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2階のでは栃木市にゆかりのある山本有三、吉屋信子、柴田トヨらを中心にした資料が展示されていて、彼らも過ごした建物の中でその足跡を辿る事ができます。
3人の展示が併設されているので、それぞれの作家の個性を感じるとともに、その違いもみれてとても興味深かったです。
ちなみに山本有三に関しては、栃木市立文学館のすぐ近くに山本有三ふるさと記念館(こちらの建物も登録有形文化財)があるので、ぜひ合わせて訪れてみることをオススメします。
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山本有三ふるさと記念館
住所:栃木県栃木市万町5-3
アクセス:栃木駅から徒歩約18分
営業時間:9:00~17:00
定休日:月曜日、年末年始
入館料:大人 200円
2階は撮影禁止だったので写真はありませんが、この他にも元貴賓室だった部屋も多目的スペースとして、展示室に利用されていて、貴重な資料と建築をたっぷりと堪能できます。
遠足気分で訪れた今回の栃木本棚さんぽでしたが、想像以上に素敵な施設と展示に大満足のブックスポット巡りとなりました。
とっても魅力的なスポットですので、皆さんも機会があれば是非訪れてみてくださいね。
栃木市立文学館
住所:栃木県栃木市入舟町7-31
アクセス:栃木駅から徒歩約20分
オープン年:2022年
竣工:1921年
開館時間:9:30~17:00
休館日:月曜日、祝日の翌日、年末年始
観覧料:
常設展 一般 220円
企画展 企画による
備考:国登録有形文化財
>公式ホームページ
※記載した情報記事執筆時点のものですので、訪れる際はホームページ等の情報を確認してください
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