今日は豊島区の椎名町にあるトキワ荘マンガミュージアムを訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。
1.漫画の聖地トキワ荘を再現ミュージアムを訪問
今日は前回までの文学寄りの本棚巡りから少し趣向を変えて、2020年の7月にオープンしたトキワ荘マンガミュージアムとその周辺エリアの散策スポットについて紹介したいと思います。
トキワ荘マンガミュージア厶は、昭和期に手塚治虫、藤子不二雄(A)、藤子・F・不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫といった日本漫画界のレジェンド達が暮らしたアパート「トキワ荘」を実物大で再現したミュージアムです。
尚、落合南長崎駅以外では西武池袋線の東長崎駅からは徒歩約10分、椎名町駅からは徒歩約15分となっています。
「落合南長崎駅」が最寄り駅ですが、どの沿線からアクセスできるかによっても調整することをオススメします。
ちなみにこのミュージアムの近くには、当時トキワ荘に暮らす漫画家達の行きつけであった「中華料理 松葉」や、赤塚不二夫氏がトキワ荘と並行して部屋を借ていたアパート「紫雲荘」が現存していて、エリア全体で漫画による街おこしが行われています。
2.緻密に再現された60年代のトキワ荘が面白い
都営大江戸線 落合南長崎駅を降りて約5分程歩くと、今回の目的地であるトキワ荘マンガミュージアムが見えてきます。
住宅街の中を歩いているとパッと視界が開け、トキワ荘をはじめとする各建物が姿を表しましす。
敷地周辺の公園のフェンスには漫画の吹き出しにはウェルカムメッセージが描かれていて、来館者をお出迎えしてくれます。
この南長崎花咲公園内にはミュージアムが建つ10年前に設置された「トキワ荘のヒーローたち」の記念碑も建っています。
さらに進むと当時あった電話ボックスと付帯設備が見えてきます。
今はスマホがありますが、当時は編集者に連絡を取るためにこうした電話ボックスが必要だったのですね。
トキワ荘は1982年に解体されましたが、トキワ壮漫画ミュージアムはトキワ荘が建てられて約10年後の1960年代初頭をイメージしてつくられています。
トキワ荘は約30年の歴史の中で、ベランダに物干しが増設されたりと何度も改修がなされていますが、あえて黄金期といわれた築10年後の状態を再現しているというのが面白いですね。
また、元々は木造モルタル2階建てのアパートだった建物が、今回建てられたミュージアムでは鉄骨造になってはいますが、当時を知る人々に聞き取り調査をしたり、特殊なエイジング処理によって絶妙な風合いを表現しています。
建物の裏側では汲取り式便所のパイプも再現されていて、今となっては見ることの無くなった当時の暮らしが垣間見れます。
建物の左手に謎の壁があると思ったら、こちらは隣の家の壁を再現したものとのこと。
絶妙なこだわりがとても面白いです。
公園内のトイレもガラスの壁面に漫画に使われるオノマトペがプリントされていてかわいいです。
3.再現されたトキワ荘の部屋を体験!小宇宙のような空間を体験
トキワ荘マンガミュージアムの入館料は無料。
事前の予約は必要ですが、1階のマンガラウンジ・企画展ゾーンと2階のトキワ荘を再現したゾーンの両方を無料で見ることができます。(企画展示室は企画展によっては有料となる場合もあり)
予約した時間に集合して、早速中へ。
事前予約制なので待ち時間はほとんどなくて、スムーズに入館できるのはノンストレスでいいですね。
中に入るとまずは2階のトキワ荘再現エリアへ。ギシギシと音を立てる階段を上って2階にあがります。
ちなみにロッカーもあるので荷物がある方はスタッフさんに声をかければロッカーを案内してもらえます。
2階は再現された8つの部屋と、共同便所や炊事場といった共用部が体験できるゾーン。
まず初めに目に入る共用部は、混沌とした炊事場から思わず鼻を摘みそうになるトイレまで、実際に生活しているかのようなリアルなトキワ荘が再現されています。
再現された8部屋は、その部屋ごとに漫画家の個性が垣間見れます。
漫画家の暮らしぶりや、漫画を書くということの基本知識を網羅的に知ることのできる展示は中々興味深かったです。
各部屋は廊下からのみ見れる部屋、実際に中に入れる部屋と様々です。
わずが4畳半の部屋に小さな宇宙が広がっているようで、ここで悩み苦しみながらも漫画を書き続け、何十年も残る傑作が生み出されていったのだと思うと、感慨深いです。
それぞれの部屋の天井も面白くて、元となったトキワ荘自体の天井は木の板に木目をプリントした安価な材料を使っていたそうです。
その木目をプリントした天井を、こちらのミュージアムではさらにプリントで再現しているというなんとも面白い構造。
内装の再現については中々見どころが多くて建築好きとしてはかなり楽しめました。
4.企画展示スペースも面白い!スタイリッシュな展示コーナーに注目
2階の展示を堪能した後はエレベータで1階に下りて、企画展示室へ。
1階のギャラリーは、2階とは打って変わってスタイリッシュな内装。
2階の再現部分とあえて明確なコントラストがつけられているので、よりトキワ荘の時代から現代へと戻ってきた感じが演出されます。
1階の展示スペースは、天井まで広がる巨大な本棚をはじめ、漫画に関わる様々な資料が展示されていて見応えは抜群。
展示は時期ごとに特集する漫画家やテーマを変えた展示が行われてるので、何度行っても楽しめそうです。
5.周辺を散策!名物ラーメン店から今も残る建物まで堪能
ミュージアムを堪能した後はすぐ近くにある関連施設を巡ります。
この日は午前中にミュージアムを巡ったので、まずは「中華料理 松葉」でラーメンランチ。
トキワ荘の漫画家の作品の中にも度々登場した名物ラーメン店です。
若葉のラーメンは、リーズナブルなお値段に対してボリューム満点で、味も懐かしさが溢れつつとっても美味しかったです。
ちなみにお昼の時間は11:30くらいから混特に混雑するので、訪れる際は少しピークの時間帯を避けるのがオススメです。
こちらの記念モニュメントは、元々トキワ荘のあった実際の場所に建てられた記念碑です。
現在は出版社になっているようです。
モニュメントから程なくのところに建つ「紫雲荘」は赤塚不二夫さんがトキワ荘と並行して借ていたアパート。
漫画家ゆかりのスポットだけでなくこちらの「トキワ荘マンガステーション」はミュージアムと同時に開館した施設。
時間制限ありの入れ替え制となりますが、トキワ荘に関わる漫画を中心に大量の漫画を無料で楽しめるオスメススポットです。
こちらの「トキワ荘通りお休み処」は築100年近くになる元米店を改修してつくられた施設。
2階では寺田ヒロオの部屋の再現していて、トキワ荘マンガミュージアムと併せて見ておきたいスポットです。
入館料も無料で様々なグッズ販売もしているので、是非立ち寄ってみて下さい。
今や伝説となった漫画家の魅力と生活が垣間見れるトキワ荘マンガミュージアム&周辺施設。
とってもオススメのスポットなので皆さんも機会があれば是非訪れてみてくださいね。
豊島区立トキワ荘マンガミュージアム
住所:東京都豊島区南長崎3-9-22
アクセス:落合南長崎駅から徒歩約5分、東長崎駅徒歩から約10分、椎名町駅から徒歩約15分
オープン年:2020年
開館時間:
10:00~18:00時(最終入館は17:30まで)
休館日:月曜、年末年始、展示替え期間
入館料:無料(企画展によっては有料の場合あり)
ホームページ:https://tokiwasomm.jp/
※記載の内容は記事執筆時点のものですので、訪れる際はホームページ等で最新の情報を確認してください
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