中野「哲学堂公園 絶対城」不思議な建物が集まる謎の公園内に建つ図書館をレポート

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今回は東京都中野区の哲学堂公園にある図書館 絶対城を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

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1.東洋大学のルーツでもある哲学堂公園を訪問

今日は東京都中野区に100年以上前に建てられた図書館をはじめとする不思議な建物群があると聞き、早速訪れてきました。

今回訪れたのは哲学堂公園の中にある絶対城と名付けられた図書館です。
公園の名前も図書館の名前も個性的ですが、この哲学堂公園は東洋大学の創立者であり哲学者の井上円了氏によってつくられた建物群が後に公園として整備されたものです。

絶対城と名付けられた図書館もその建物の一つで、元々は1903年に現在の東洋大学の前身である私立哲学館大学がつくられたことを記念して建てられた「四聖堂」をはじめとして、様々な建物が建築されました。

明治時代〜大正時代に建てられた10棟の建物は現在は中野区の有形文化財にも指定されている他、公園自体も国の名勝にに指定されて一般市民に開放されています。

公園内の建物は普段から自由に巡り、外観を見ることができますが、4月と10月には建物内部の特別公開も行われているので、今回はこの公開日にあわせて訪れました。

公園は西武新宿線と都営地下鉄大江戸線の線路のちょうど中間地点にあり、新井薬師前駅からは徒歩約12分、落合南長崎駅からも徒歩約13分ほどでアクセスできます。
また、駅からは路線バスもでているので、タイミングによってはバスの利用もオススメです。

2.本を通じて自分自身と世界をより深める絶対城

哲学堂公園は学問の場として、また精神修養と場として七十七場の建物や彫刻が敷地内に点在していて、それぞれ独特の名前がつけられています。

今回の目的地である図書館は、絶対城と名付けられていて大正時代の1915年に建てられました。
この絶対城という名は、様々な書物を万象に見立て、それを読み尽くせば「絶対の妙境」に到達できるとの意味からこの名になりました。

木造2階建ての建物の上につけられた梯子は観察境と呼ばれるスペースで、読書の合間や読書後に休憩したり物思いに耽ったりする場所です。
ここでの読書は単なる娯楽ではなく、あくまで読書という行為を通じて、自分自身や世界と向き合うというスタンスがよくわかります。

内部は1階が書架、2階が読書スペースとなっています。
現在書架にあるのは本棚のみですが、当時は井上円了氏蔵書を中心とした書籍が並べられていました。

書架には半分は国書や漢書が、もう半分には仏書が並べられていたそうです。

2階は観念脚と呼ばれる読書スペースとなっています。

明治時代や大正時代に建てられた図書館は、このブログでも明治37年に建てられた大阪府立中之島図書館や明治39年築の上野の旧帝国図書館、明治42年築の京都府立図書館や大正元年築の慶應義塾大学旧図書館を紹介してきましたが、これらはいずれも西洋の建築様式を取り入れた図書館でしした。
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それらの当時最新の図書館が建設される中で、東洋の哲学や思想をそのまま体現したような図書館がつくられたのも面白いです。

絶対城では、西洋建築の目新しさや合理性とは違った世界との向き合い方が空間として体現されています。

強い風が吹けば揺れる木造の建物の中で、時には天から日が差し込み、鳥の鳴き声が聞こえるような図書館で書と向きあう絶対城は、西洋建築とはまた違った魅力を感じます。

3.個性的な建物や彫刻が点在する公園をたっぷりと堪能

絶対城を見学した後は公園内を散策しながら、哲学世界を具現化した各名所を巡っていきました。

こちらの四聖堂は1904年、この地に最初に建てられた建物です。

四聖堂の名の通り孔子、釈迦、ソクラテス、カントの哲学者が建物の4方に祀られています。

すぐ隣に建つ六賢台は、6人の賢者が祀られた建物で、公園のシンボル的な存在です。

続いて立ち寄った無尽蔵は、井上円了氏が海外を含めた各地で収集した品を展示する建物です。

こちらの建物では、現在はそれらの品々の一部のほか哲学堂公園自体に関する昔の写真や説明も展示されていました。

他にも公園内には個性豊かなスポットが点在していて、それらすべてにユニークな意味が与えられていて、どれも興味深く見学しました。

とてもオススメのスポットですので、皆さんも機会があれば是非訪れてみてくださいね。


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哲学堂公園
住所:東京都中野区松が丘1-34-28
アクセス:新井薬師前駅から徒歩約12分、落合南長崎駅から徒歩約13分
開園時間:時期によって7:00~18:00の間で前後
入園料:無料
備考:国指定名勝
中野区指定有形文化財
ホームページ:https://www.tetsugakudo.jp/

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