7.森鴎外記念館(千駄木駅)
文京区立森鴎外記念館は、森鴎外がドイツから帰国後少し経った30歳から亡なる60歳まで住んでいた「観潮楼(かんちょうろう)」跡地に建てられた記念館です。
ドイツ留学や軍医を経て、最終的には帝室博物館(現在の東京国立博物館・奈良国立博物館・京都国立博物館など)の総長なども務めた異色の文豪、森鴎外の生涯と文学作品の繋がりはかなり刺激的。
また、鴎外と同時代に生きた樋口一葉、正岡子規、石川啄木などとの接点についてのコーナー展示も注目です。
外部の様々な要因から中の収蔵物を保護するシェルターとしての建物をしっかりと実現しつつ、大掛かりな装飾や派手なデザインをせずに素材の持つ本質的な美しさを引き出す建築デザインにも注目で、鴎外やその作品を見事に建築でも表現しています。
また、建物の地下に併設されたモリキネカフェでは鴎外が留学派遣時代に暮らしたドイツをモチーフにしたメニューを楽しめるおススメのスポットです。
詳細記事
・千駄木「区立森鴎外記念館」鴎外の魅力が凝縮した文学スポットをレポート
住所:東京都文京区千駄木1-23-4
アクセス:千駄木駅より徒歩約3分
オープン年:2012年
開館時間:10:00~18:00
休館日:第4火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始他
拝観料:一般300円
ホームページ:https://moriogai-kinenkan.jp/
8.一葉記念館(三ノ輪駅)
一葉記念館は、明治時代の1872年に生まれ、1896年に若干24歳で亡くなった小説家である樋口一葉の功績を称える記念館です。
吉原からもほど近いこのエリアは、若くして一家の生計を担うことになった一葉が駄菓子などを売る雑貨店を開いた場所であり、彼女の代表作である「たけくらべ」の舞台となったエリアでもあります。
限られた敷地に建つコンパクトな記念館は、僅か24年の生涯でその人生を終えた一葉の人生とリンクするように劇的で濃密な展示となっているのが特徴。
展示室では彼女の短い人生を時系列を追いながら紹介しつつ、当時の写真や資料、生の原稿、実際に使っていた机などの家具が展示されていて、樋口一葉の人生に併走するようにその足跡を体験できます。
展示は実際の原稿などの資料の他に、当時の一葉が住んでいた雑貨屋の模型などの展示物も充実していて、当時の様子がありありとイメージすることができます。
詳細記事
・竜泉「一葉記念館」樋口一葉の足跡を辿る素敵な記念館をレポート
住所:東京都台東区竜泉3-18-4
アクセス:三ノ輪駅より徒歩約10分
オープン年:2006年
開館時間:9:00~16:30
休館日:月曜、年末年始、特別整理期間中
入館料:
大人 300円
小中高生 100円
ホームページ:https://www.taitocity.net/zaidan/ichiyo/
9.田端文士村記念館(田端駅)
田端文士村記念館は、田端駅駅前に建てられた記念館です。
かつてこの地は明治時代につくられた東京美術学校(現在の東京藝術大学)の下宿先として多くの芸術家の卵が暮らし、大正時代から昭和初期にかけては芥川龍之介や室生犀星をはじめ萩原朔太郎や菊池寛などの小説家が集まる文士村として多くの文豪や芸術家が互いに刺激し合い、切磋琢磨する場となりました。
田端文士村記念館では総勢100名近く集まった文士・芸術家の足跡や暮らしぶりを紹介するとともに、お互いの交流や関連性を含めた展示が特徴。
文学の作品のみならず、実際の住まいの模型や、文豪同士の私生活の交差や交流が見られるのも興味深く、他の文学館にはない文士村記念館ならではの展示を楽しめます。
住所:東京都北区田端6-1-2
アクセス:田端駅から徒歩約2分
オープン年:1993年
開館時間:10:00~17:00
休館日:月曜、祝日の翌日、年末年始他
入館料:無料
ホームページ:https://kitabunka.or.jp/tabata/
10.トキワ壮マンガミュージアム(落合南長崎駅)
最後に紹介するトキワ荘マンガミュージア厶は、昭和期に手塚治虫、藤子不二雄(A)、藤子・F・不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫といった日本漫画界のレジェンド達が暮らしたアパート「トキワ荘」を実物大で再現したミュージアムです。
トキワ荘は1982年に解体されましたが、トキワ壮漫画ミュージアムはトキワ荘が建てられて約10年後の1960年代初頭をイメージしてつくられていて、新しく建てられた建物ではありますが特殊なエイジング処理によって絶妙な風合いが表現されています。
2階の住居エリアでは共同便所や炊事場といった共用部と8つの部屋が再現されていて、それぞれの漫画家の当時の生活が垣間見れます。
わずが4畳半の部屋に小さな宇宙が広がっているようで、ここで悩み苦しみながらも漫画を書き続け、何十年も残る傑作が生み出されていったことが体感できます。
また、1階の展示スペースは、天井まで広がる巨大な本棚をはじめ、漫画に関わる様々な資料が展示されています。
展示は時期ごとに特集する漫画家やテーマを変えた展示が行われているので、何度行っても楽しめるおススメのミュージアムです。
詳細記事
・椎名町「トキワ荘マンガミュージアム」生まれ変わった漫画の聖地をレポート
住所:東京都豊島区南長崎3-9-22
アクセス:落合南長崎駅から徒歩約5分、東長崎駅徒歩から約10分、椎名町駅から徒歩約15分
オープン年:2020年
開館時間:
10:00~18:00時(最終入館は17:30まで)
休館日:月曜、年末年始、展示替え期間
入館料:無料(企画展によっては有料の場合あり)
ホームページ:https://tokiwasomm.jp/
11.山本有三記念館(三鷹駅)
山本有三記念館は、大正時代〜昭和にかけて活躍した小説家・劇作家・政治家の山本有三が暮らした邸宅を改修してつくられた記念館です。
この邸宅は1926年に建てられたもので、山本は1936年から戦争が終わりGHQに接収されるまでの10年間を過ごしました。
各部屋がそのまま展示室として使われていて、貴重な資料から山本の人となりや生活が伺い知れる充実した展示がとても魅力的な施設となっています。
様々な素材が組み合わさった大胆な建物デザインや精巧な家具や装飾も注目ポイントで、当時の建築流行の影響とともに大正時代という自由でモダンな時代の潮流も感じることができます。
詳細記事
・三鷹「山本有三記念館」築100年の邸宅を改修した記念館をレポート
住所:東京都三鷹市下連雀2-12-27
アクセス:三鷹駅から徒歩約12分
オープン年:1996年
営業時間:9:30~17:00
休館日:月曜日
入館料:300円
12.太宰治文学サロン(三鷹駅)
太宰治文学サロンは、太宰治近所の酒店として通っていた伊勢元酒店の跡地につくられた記念館です。
館内には太宰治研究の第一人者である山内祥史氏から寄託された太宰治に関する約1500冊の書籍が並べられていて、特性の珈琲を片手に太宰について知ることができます。
蔵書は太宰の作品から出身地青森に関連するものや、関連のある作家や研究者のもの、太宰に関係する漫画など多岐にわたっていて、ついつい長居してしまう素敵なブックスポットとなっています。
三鷹エリアは太宰ゆかりのスポットが沢山あるので、合わせて太宰の聖地巡りを行ってみるのもおススメです。
住所:東京都三鷹市下連雀2-12-27グランジャルダン三鷹1階
アクセス:三鷹駅から徒歩約5分
オープン年:2008年
営業時間:10:00~17:30
休館日:月曜日
入館料:無料
■太宰治展示室 三鷹の此の小さい家
ちなみに2020年には、三鷹駅前にある三鷹市美術ギャラリーの第3展示室に太宰治展示室がオープンしました。
太宰治展示室では三鷹市が所蔵する貴重な資料の他、時期ごとにテーマが変わる企画展示や太宰が暮らした自宅を一部を再現した部屋があったりと、ファン必見のスポットとなっています。
住所:東京都三鷹市下連雀3-35-1コラル5階 三鷹市美術ギャラリー内
アクセス:三鷹駅から徒歩約1分
オープン年:2020年
開館時間:10:00~18:00
入館料:無料
休館日:月曜日
※記載の内容は記事執筆時点のものですので、訪れる際はホームページ等で最新の情報を確認してください
【思わず本や雑誌が読みたくなるおススメ本】
書評誌として本好きに知られる「本の雑誌」創刊からのストーリーを描いた話題の漫画です。
本と出会い、本を通じて世界と繋がっていくワクワク感。ともすれば社会不適合といわれる本好き達が、本を通じて大きなうねりとなってその輪を広げていくのを目撃する嬉しさはもはや快感です。
本を通じて躍動し、積み重ね、受け継がれていく人生が濃厚に詰まったおススメ漫画です。この時代を知る人は懐かしく、知らない世代は新鮮に読めるのもおススメポイントですが、時代が変わっても変わらない本や活字への愛と情熱もひしひしと感じます。
むしろ私は「この本に出会えてよかった」と思ってしまった素敵過ぎる一冊です。
本の雑誌の「神保町」特集をまとめたこちらの書籍もおススメです。
古書店だけでなくグルメからスイーツ、楽器や古典芸能など神保町のディープな魅力が凝縮した一冊。
神保町MAPもついているので、気になった人は是非チェックしてみてくださいね。
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